ロシアのアオバト 田端 裕 

1996.12.31.


アオバトは日本が北限であると考えていたが、ロシアの文献にいくつか興味ある記載があるので、ハト類の記載とともに紹介しておくことにする。


極東鳥類研究会 1991: 極東の鳥類6 千島特集
N. A. Nechaev 国後島(南千島)の鳥類の生活における木本類の種子と果実の意義
アオバトは国後島ではおそらく繁殖していないであろうが、北海道には普通に繁殖している。
アオバトはエゾヤマザクラの結実期に見られ、樹上や落下した実を食べている。これに次いで重要なアオバトの食物は、エゾニワトコ、オヒョウの実、サルナシやエゾヤマザクラの花である。果実を食べるハトが国後島に生息するのは、エゾヤマザクラの実があることと密接な関係がある。
〔別添資料参照〕


V. A. Nechaev & V. D Kurenkov 国後島の鳥類の新知見1982.5.20 〜8.2 の記録
アオバトは明らかに国後島で繁殖している。

V. A. Nechaev ソ連の鳥類研究史・千島列島 V.A.Nechaevは1962.6.10 〜8.18と9.30〜63.8.8に国後島を調査し、ソ連初記録としてアオバトを記録した。
cf V.A.Nechaev 1965: 国後島のアオバト Ornitologiya 7:


極東鳥類研究会 199 : 極東の鳥類8 極東北部特集


極東鳥類研究会 1996: 極東の鳥類13 サハリンの鳥類2V. A. Nechaev
アオバト 稀な旅鳥で、多分繁殖する。
詳細は添付別紙参照

斎藤常實さま
いやぁ、おもしろい、おもしろい。
ソ連でのアオバトの様子を書いたものを読んでいると、アオバトが熱帯の祖先種のなかから、北方へと進出していった様子が推理できるヒントがありそうに思われた。
ひとつの種をみんなで調べていくと、こんなにもいろいろと広がりが出てきてコーフンするとは想像以上のことだった。
なにか1997年はアオバトが国際的なひろがりを持って認知されていくような予感がする。
でも、あんまりすっ飛ばさないように、ほどほどにブレーキを掛けながら、年相応に遣っていこうと考えている。よろしくね。

サハリンのアオバト 田端 裕 

2001.08.13

こんばんは、田端です。
『極東の鳥類』という雑誌が届いたので、「アオバト」という文字を探してましたらありました、ありました。


V.A.Nechaev 『モネロン島の鳥類』
クリルオン半島(サハリン)の西50kmにある南北7〜8km、東西4〜5kmの小島の記録。
島の大部分は灌木草原。風の当たらないところには木肌やヤマグワの林が見られる。
著者は1973年5月17日〜8月2日に調査をした。
アオバトについての記述をそのまま収録します。


アオバト
一時的に飛来する。私は、単独個体や3羽の群れを6月17日〜29日にいつも見
た。これらは、クラスノィやオサワ川沿いにいた。6月29日に採集した雄の精巣
は、やや発達していた。この個体は換羽を終えており、羽毛は全く新しく、初列風切
り羽の10番目(外側)はまだ正常の長さになっておらず、基部に羽鞘が残ってい
た。
アオバトとイスカは夏の移動時期に餌を求めてここに飛来する。
キハダ、カンボク、ニワトコなどの液果をつける一部の植物の種子が、渡り時期に渡
り鳥によって運ばれたことは否定できない。
極東鳥類研究会
『極東の鳥類』18 千島・サハリン特集
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ことによると、こんな北辺の孤島にまで照ヶ崎を通過しているアオバトが飛んでいっているかもしれないと想像の翼は海峡を越えていきます。