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2003.03
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記録(声)

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「アオバトのふしぎ」を読んで

 

李 謙一 2005/8/13  

 

 まず、読んで思ったのが皆さんとても楽しそうに観察や調査をしているな、ということでした。そして、驚いたのがその熱心さ。2002年の繁殖調査で、3ヶ月弱の間に計26回の調査だったり、巻末の1991年の調査を見るとほぼ毎日観察していたり、と。そこまで、アオバトに魅せられる理由は何なのだろうか?まさか恋心?いや、見た目の美しさもあるでしょうが、同時に、その意外と知られていない生活が、こまたんの方々をアオバトの闇(緑?) へと引きずり込んだ気がしてなりません。
  
 本の中でも、「どうしてアオバトは水を飲むのか?」から始まって、その数は?渡りや他の鳥との関係は?その生理的メカニズムは?と次々にどうして〜?どうして〜?と展開していくのは、とても素晴らしいと思いました。生き物は言語を使いません。だから、こちらが積極的に相手の事を想って、知ろうとしなければ相手は答えてくれない、と日頃感じているからです。僕自身、何かと覚える事に傾きがちなところもあり、「自分はこれほど生き物について深く考えているだろうか」と自問し、こまたんの方々には感心しました。また、鳥の生態自体にあまり詳しくない僕でも、平易に説明が為されているので、順に読んで行けば十分理解できる内容でした。
  
 加えて、最後の「ネットで捕まえて足環を付ければいいじゃん」という問に対しての答えは、普段研究(僕自身は経験はありませんが)や趣味の為につい生き物を採取したり、何かしらの影響を与える事をしたり、に慣れてしまっている僕みたいな人にとってはとても考えさせられる言葉でした。探鳥会で伺ったように、実質的な困難さがあったりもするでしょうし、実際はケースバイケースなのかなとも思いますが、とても大切な論理だと思います。

 気になった点を敢えて挙げるとすれば、昔の文献などを引用が多くて話の本流が分りにくくなるところがある事、他の生物があまり出てこなくて寂しい事、がありました。冒頭で書かれているような「隊員の声」は、言われるほど少ない気はしませんでした。
  
 最後に、ハトと言えば自由主義を「空気抵抗があるからこそ飛べるハト」に例えた表現を思いだしました。自然保護などもそういう趣がありますが、たぶんそれだけだと、いつかぼろが出るか、うまくいかないか、になってしまうと思っています。そうしないための土台作りというのは、恐らく普段からの普及活動であって、「アオバトのふしぎ」やHPを見ているとこまたんの方々はそれを楽しくやっているのかな、という気がしました。もっとも、「楽しいからやっている」のであって、「何かをするために楽しくしなければならない」のではないのだと思いますが。とにかく、長く続いている集まりですから、限られた紙面では書ききれないような苦労や、普通表には出さないような個々人の感情も色々あるとは思いますが、本やHPを読む限りではそう感じました。これもイーダーシップのなせる業なのか、それともアオバトの魅力なのか。こまたんの方の謎もつきません。